京王線「どっちーも」定期券は本当に使える定期券なのか?

京王電鉄の扱うサービスに、「どっちーも」というものがあります。
これは京王電鉄で新宿、渋谷までの定期券を購入する際、定期券の料金に1,000円追加するだけで
- 新宿駅までの定期であれば渋谷駅に
- 渋谷駅までの定期であれば新宿駅に
行き放題となるサービスです。
例えば京王多摩センター駅から新宿までの通勤定期を持っている人が、「どっちーも」を利用したとします。
すると、渋谷に行くときにも明大前駅で乗り換えることで、その都度運賃を支払わずに渋谷まで行くことができるのです。
「どっちーも」とは
通勤定期券で「多摩センター⇔新宿」というような、新宿を経由する定期券にプラス1,000円することで、渋谷駅でも乗り降りすることが出来るようになるサービスが「どっちーも」です。
逆に「多摩センター⇔渋谷」という定期券にプラス1,000円することで、新宿駅に乗り降りすることが出来るようにもなります。
このプラス1,000円は1ヶ月定期の場合で、
- 3ヶ月定期では+2,850円(1ヶ月あたり950円)
- 6ヶ月定期では+5,400円(1ヶ月あたり900円)
とお得になっていきます。
「どっちーも通勤定期券」はどこで購入できるか
新宿駅・桜上水駅・千歳烏山駅・調布駅・府中駅・分倍河原駅・高幡不動駅・京王八王子駅・ 京王多摩センター駅・橋本駅・渋谷駅・明大前駅・吉祥寺駅
の定期券発売窓口や、自動券売機で購入できます。
新しくどっちーもにしたい場合は新規購入にしか出来ず、有効期限内のPASMOは一度払い戻しをしないかぎりどっちーもにすることは出来ません。
自動発券機で「通常の定期券」にするか「どっちーも」にするかの選択が出来ない場合は、発売対象外の区間である可能性があります。
どっちーものメリット
- 新宿と渋谷両方に行けるので、休日が充実する
- 複数店舗展開のスポーツジムなどに、その日の気分で行ける
- 営業先からの直帰の際、新宿・渋谷の近いほうから帰ることが出来る
- 目黒や品川方面に会社がある場合、行きは渋谷から時間重視、帰りは乗り換え回数を重視し新宿から…という使い分けが出来る
どっちーものメリットは、その名の通り 新宿と渋谷どちらにでも行けることです。
新宿と渋谷両方に定期で行けるというだけでも、休日に遊びに行ける場所が増えていきますよね。
フィットネスクラブやエステなど、会員であればどの店舗でも利用可能な施設をそのときの気分にあわせて選ぶことが出来ます。
職場の最寄り駅だと同僚とばったりと会って、落ちついて運動が出来ないということがあると思います。
そのようなことを避けるために、会いたくない同僚が来る曜日は渋谷のスポーツジムに退避ということもしやすくなるのです。
仕事のときでも営業などで品川方面から直帰の場合には渋谷から、池袋方面からの直帰の場合は新宿からのルートで帰ることが出来ます。
また職場が目黒や品川などであれば、新宿経由で申請すれば渋谷も新宿も通ることが出来ます。
しかし新宿で京王線に乗り換えなければならないので、渋谷から京王井の頭線を経由したルートは別途運賃がかかってしまいます。
しかしどっちーもにすれば、渋谷経由で帰る場合にも別途運賃が発生しなくなるのです。
帰る際にNAVITIMEなどで一番早く帰れるルートを検索すれば、これまでよりも早く自宅に帰れるようになるでしょう。
どっちーもの注意点
- 今の定期に「+新宿or渋谷」とするだけなので、途中駅には運賃がかかる
- 最寄り駅から新宿、渋谷への使い分けは出来るが、新宿から渋谷へのアクセスは関係ない
- 通勤定期券が対象であり、通学定期券では販売していない
- どっちーもは明大前駅より西側の駅が発売対象区間
どっちーもで勘違いしやすいのは、追加した駅までの途中駅の扱いでしょう。
通常の定期区間であれば途中駅で降りても運賃はかからないので、「渋谷駅を追加すれば下北沢駅にも運賃をかけずに降りられるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、実はどっちーもは普段の定期区間に渋谷駅or新宿駅をプラスしているだけなのです。
そのため新宿駅までの定期をどっちーもにした場合、下北沢駅に降りるときは明大前駅から下北沢駅までの運賃が発生してしまいます。
また、多摩センターから新宿までの定期をどっちーもにしたとします。
その場合、多摩センターからであれば明大前駅で井の頭線に乗り換えることで渋谷駅まで運賃をかけずに行くことができます。
しかし山手線で繋がっているわけではないので、新宿から渋谷まで最短ルートで行くと別途運賃がかかってしまうのです。
新宿から渋谷まで別途運賃をかけずに移動する場合、一度明大前駅まで行ってから井の頭線で渋谷まで移動しなければならなくなります。
またどっちーもは通勤定期券(PASMO)を対象としたサービスであり、磁気定期券や通学定期券では申し込むことが出来ません。
どっちーもは明大前駅よりも西側(調布など)の駅が発売対象区間となっているので、下北沢駅から渋谷駅などの区間ではどっちーもにすることはできません。
また京王電鉄以外の鉄道会社との連絡定期券は、新宿駅(or渋谷駅)の連絡のみどっちーもの対象となります。
下北沢で小田急線に乗り換えようとする場合などでは、どっちーもには出来ないということでしょう。
「途中下車できないんじゃなぁ」と思ったあなたに提案!
「渋谷駅だけで降りれるだけだと、あまりメリットがないかなぁ」と思ったときに、考えてみてほしい方法があります。
- 現在新宿駅までの定期を持っている
- これまで明大前から新宿駅までで途中下車したことがない
- 明大前から渋谷の間で下北沢駅など「ここで降りてみたいな」という駅がある
という条件に合致する場合、いっそのこと渋谷駅までの定期にして、どっちーもで新宿に行けるようにするのです。
こうすることで、定期券上は「多摩センター⇔渋谷」という書かれ方になりますが、新宿駅にも停車できます。
新宿まで行けるのは変わらず明大前駅~渋谷駅までの各駅にも降りられるようになるので、下北沢などの「せっかくだからこの駅に降りてみたいなぁ」というような駅にも降りられるのです。
問題点としては
- 表面上渋谷駅までの定期となるので申請できるか謎
- 何かの予定があって笹塚など明大前駅~新宿駅の途中駅で降りなければならなくなると運賃がかかる
ということが挙げられるでしょう。
●営業先が主に渋谷周辺
●池ノ上駅にも営業先があり毎回交通費申請をしている
というような、「新宿が自社の最寄り駅だけど、営業職で、自分が担当しているエリアは渋谷駅周辺。」というような場合には、それを前面に推せば何とかなるかもしれません。
しかしどっちーもにしたい理由が主にスポーツジムに通いたいなどの私用の場合、通勤定期券として申請して許可されるかは不明です。
まとめ
いかがでしょうか。
どっちーもは注意点はありますが、そこを理解して活用すれば利便性は高いでしょう。
多摩センターから都心に向かうときに、渋谷に向かう井の頭線よりも新宿へ向かう京王本線の方が混雑する傾向にあります。
その為職場が品川方面である場合、多摩センターから乗って
- 明大前駅までに座ることが出来たら新宿で乗り換え
- 座ることが出来なかったらTOPクラスの混雑率を誇る京王本線を避けて井の頭線で渋谷乗換えに
というような使い分けが出来るようになります。
帰りに関しては始発である新宿駅で座ってゆったりと帰ることが出来ますし、京王本線の特急と時間が合わなければ井の頭線で早く帰ることも出来ます。
通常路線の使い分けは出来るものではないですから、どっちーものようなサービスはありがたいですね。